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子供の虫歯予防:歯科医からのアドバイス
虫歯予防
お子さまの歯を健康に保つには、歯が生え始めた時期から虫歯予防に取り組むことが大切です。
本コラムでは、歯科医師でもあり親でもある私が、お子さまの歯の健康を守るために具体的な対策をお伝えします。ぜひご参考にしてください。
子供が虫歯になりやすい3つの理由
子供が虫歯になりやすい理由は次の通りです。
- 家族からの虫歯菌の感染
- 歯磨きが不十分
- だらだら食べ
産まれたばかりの赤ちゃんの口内には虫歯菌がいません。しかし、永久歯と比較してエナメル質が薄い乳歯は虫歯菌によって浸食されやすく、ご家族との食器の共有やキスなどから唾液を介して感染し、虫歯になってしまいます。
また、幼児期は足りない栄養をおやつで補いますが、なかには虫歯菌のエサとなる糖質を多く含む食品もあり、注意が必要です。おやつを食べた後は歯磨きを欠かさず行ってください。
さらに、だらだら食べにも要注意です。虫歯菌は酸を産生し、歯を溶かして内部に侵入します。唾液はその酸を中和して歯を修復しますが、だらだら食べをしていると中和が追いつきません。
子供の虫歯予防のためにできること
お子さまの虫歯予防には、ご家庭と歯科医院で行えるケアを組み合わせることが大切です。
ホームケア
ご家庭でできる虫歯予防は次の通りです。
- 十分な歯磨き
- 虫歯菌の感染防止
- 間食の見直し
まずは食後の歯磨き習慣を定着させましょう。出先などですぐに歯磨きが出来ない場合は、口をゆすぐだけでも良いです。また、自分で歯を磨ける年齢になってもしばらくは仕上げ磨きを続け、歯間部分にはフロスも活用しましょう。
虫歯菌の感染防止対策も大切です。お子さまと食器類を分け、ご家族の口腔ケアも徹底してください。
補食は砂糖を含むお菓子や、長時間食べ続けられる飴類を減らし、おにぎりやふかし芋などを取り入れましょう。あらかじめおやつの時間を決めておくと、だらだら食べの防止にもなります。
歯科医院での虫歯予防
歯科医院での虫歯予防治療は次の通りです。
- 歯科検診
- ブラッシング指導
- フッ素塗布
- シーラント
お子さまの虫歯予防には定期的な歯科検診が欠かせません。当院は小児歯科も行っているため、ぜひご来院ください。お子さま一人ひとりの口腔内の状況に合わせたブラッシング指導により、お子さま自身が正しい歯磨きの方法を身に着けられます。
また、歯質を強化できるフッ素塗布は3ヶ月に1回を目安に対応しています。さらに、奥歯の溝を歯科用プラスチックで埋め、清掃性を高めるシーラントも虫歯予防に有効です。生えたばかりの永久歯に施す処置になります。
お子さまの虫歯予防には、親御さまのご協力が必要です。ホームケアと当院での診療を組み合わせ、お子さまの歯を健康で丈夫に保ちましょう。
Q1:仕上げ磨きは何歳まで必要ですか?
A1:小学校中学年ごろを目安に続けましょう。5~6歳になると自分で歯磨きをできるようになりますが、磨き残しは多くなってしまいます。また、乳歯から永久歯に生え変わるタイミングは虫歯になりやすく、しっかりと仕上げ磨きをしてあげることが重要です。
Q2:子供に歯磨きを習慣づける方法はありますか?
A2:まずは歯磨きを楽しいと思ってもらうことが大切です。歯磨きのたびにシールや糖を含んでいないガムをあげるなど、ご褒美を作ってあげるのもよいでしょう。歯垢を色を付けて分かりやすくする染め上げ剤などを活用すれば、お子さま自身で磨き残しに気付けます。正しく歯を磨く習慣づけに繋がりますので、ぜひご検討ください。